深良水門     箱根町


 芦ノ湖の水は、もとは湖尻から早川に流れ出ていた。しかし、今、そこには湖尻水門があり、普段は閉じられ水は流れない。
 湖尻から湖岸を左回りに一キロメートル余り進むと、深良(ふから)水門がある。箱根用水だ。江戸時代の初期一六七〇年にトンネルを掘り、湖水が静岡県に農業用水として流れるようになった。
 その経緯から静岡県側が芦ノ湖の水利権を握り、箱根用水から湖水は流れ出て、大雨の時、早川に流す。
 明治中期に水利権の裁判となり、静岡県側の権利が確定した。ただ、最近の研究によると、静岡県側に有利に働いた古文書のいくつかが捏造された物らしい。
 明治末期に作られた水門の背後に背の高い水門が一九六七年に作られた。