大杉丸(犬越路近く)からの富士　　　　　山北町


　西丹沢の高峰「檜洞丸(ひのきのぼらまる)」「大室山（おおむろやま）」等への登山の起点は標高五四〇ｍの西丹沢自然教室。山北駅から丹沢湖を経てバスで行くことができる。ここで登山者カードに記入し、箒沢沿いに三十分も歩くと用木沢出会い。そこから急登になる。
　何度も休みながら険しい山道を一時間半登ると、標高一〇六〇ｍの犬越路。檜洞丸から大野山に続く尾根にある峠だ。武田信玄が小田原の北条氏康を攻める際に犬を先導させて峠を越えたので犬越路となったと云う説があるが、本当は、犬越路(いぬごえじ)の犬（イヌ）はイノの転化であり、現地の方言で険しい道の意味だそうだ。
　犬越路で一休みして百ｍほど登ると「大杉丸」という峰。突然、目の前に富士山が現れる。山登りの疲れが吹っ飛ぶ瞬間だ。