霞 橋　　　神奈川県横浜市中区新山下1丁目   2020年5月


　本牧Ａ突堤と新山下町を繋ぐ｢霞橋｣は技術史上、記念すべき橋だそうだ。
　この橋は｢錬鉄(れんてつ)｣製。｢鋼鉄｣を作る技術が無かった時代の物。炭素分が多くて脆い鋳鉄から炭素を減らすのに反射炉で熱して融かした。炭素分が減ると粘りけが増すので、反射炉内をパドルでかき回し、一部を取り出し、その塊を叩いて固め、素材にしたという。
　この橋は英国で作られ、一八八九年(明29)に隅田川に架けられた。錬鉄製として歴史的記念物だそうだ。その橋はやがて鶴見の跨線橋に使われ、それが、又、転用されたという。
　建設当時は製作誤差が大きく、調整に使った楔(くさび＝右の図)が橋の中央付近にある。今は誤差が小さくボルトナットで締め付けて作る。