二ヶ領上河原堰 （にかりょうかみかわらせき） 川崎市多摩区上布田 2015年5月
多摩川の河口から二十キロ余り上流、狛江市と川崎市多摩区の間に「二ヶ領上河原堰」がある。堰の上流は川幅いっぱいに水面が広がる。堰の下流では川の中に椅子を据え、釣り糸を垂れている人も。
この堰は、川崎方面に流れる二ヶ領用水に水を供給する。多摩川と鶴見川の間にある川崎。水には恵まれていた筈なのに、どうして「用水」があるのか？
実は多摩川は流路がしょっちゅう変わる暴れ川だった。天正十八年(一五九〇年)の大洪水で流路が現在の方向に変わった。その為、幕府支配下の川崎領と稲毛領の二つの領地は水不足に。そこで、絵の場所に堰を設け、二つの領地に水を送る二ヶ領用水を作ったという。