紅葉の笛吹川　　   梨県山梨市西沢渓谷ネトリ大橋の下流方向  　2020年11月


　十一月も半ば。 　落葉松(からまつ)は下の枝から紅葉が進むのだろう。頂部を除き、葉が落ち、細い枝が入り組んでいる様子が見える。 　これではハヤブサなど鷹の仲間も接近しづらい。栗鼠(リス)や冬眠鼠(やまね)もこの森なら安心できるのだろう。 　渓谷の広葉樹林には黄葉(こうよう)が多い。その中で、ところどころにある楓が鮮やかな紅葉の彩りを添える。 　一陣の突風が吹くと、梢がサワサワッと騒ぎ、谷の両側から枯れ葉がはらはらと川面に舞い落ちる。 　川底には見えない石でもあるのだろう。流れて行った黄色い葉が戻ったり、くるくる向きを変える。流れに逆らっているように見えるが、結局は流されて行く。