広島焼きの店になっていた 広島県呉市吉浦
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住宅街にある小さな家。この家に五歳九ヶ月まで住んでいた。今は広島焼きの店になっていた。 当時、父母はここで乾物屋を営んでいた。大きな干鱈が壁にかかっていた。箱にはバラの煮干し。お客がそれを口に入れ、味がどうだこうだと云う。まねをして口に入れたら、苦かった。 壁にグラフ用紙が貼ってあり、斜めに線が引いてあった。父は、分銅を動かして目方を量り、グラフから何円と云っていた。 醤油や酢は20〜30リットルの陶製の樽に入れてあった。木の栓を緩めて枡で量って売っていた。 六十年経った今も、家は昔のたたずまいを残していた。 |