焼津港     

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 焼津港の水揚げ高は、トン数で銚子に次いで二位。金額では福岡に次いで二位である。この日も沖側の埠頭では大型漁船からの水揚げが続いていた。古くから、焼津港から多数のマグロ漁船が出航していた。
 一九五四年アメリカはビキニ環礁で水爆実験を強行。
 マグロ漁船第五福竜丸はアメリカの指定した危険区域外で死の灰を浴びた。
 「被害を無線で報告すると米軍に察知される。水爆被害が世界に拡がるのを止めようとする米軍に撃沈される」
と無線連絡を控えて焼津に帰港。苦労して捕ったマグロは放射能汚染で処分。更に、放射線の影響で久保山無線長は四十歳で死亡。
 彼の墓は正面の山の向こうにある。